コスプレ併せの募集では、キャラクターのコスプレをする人やカメラマンのほかに「アシスタント」が募集されていることがあります。
併せに参加してみたいけれどアシスタントとは一体なんなのか、どんなことをする役割なのか、今回は併せにおけるアシスタントについて解説します。
【目次】
アシスタントは併せの裏方
ざっくりいうと、アシスタントとは併せのサポートを行う人を指します。
コスプレイヤーとカメラマンだけでは併せの進行に問題がある場合に募集されます。
アシスタントのやることは多岐にわたるうえ、併せごとに求められることが違うので、確認が必要です。
アシスタントの主な役割
ここからはアシスタントが任されることが多いであろう役割についてみていきます。
過去にわたしがアシスタントとして併せに参加した経験もふまえてお話しします。
撮影補助
一番アシスタントが任されることが多い役割です。アシスタント=撮影補助を指すことが多いです。
レフ版を持つ、被写体に光を当てる、衣装のすそを持って躍動感を出す(通称”ひらみ”)など、被写体とカメラマンだけでは撮影できない写真を撮るための補助をします。
写真についての知識があるに越したことはないですが、全くの素人でもカメラマンがどうすればいいか指示を出してくれるはずです。
衣装のズレを直したり、ウィッグが乱れているところをさっと直したりすることもあります。衣装やウィッグによっては繊細な作りになっていることがあるので、コスプレイヤーに扱い方を聞いておきましょう。
いずれにしても人の指示を聞き、その通りに動ける人が重宝されます。
外出
コスプレイベントやコスプレスタジオは、指定された範囲外でコスプレしたまま出歩くのを禁止しています。そのため、範囲外に用事がある場合はアシスタントにお願いすることがあります。
例えば、会場にたどり着けない迷子のメンバーを迎えに行く、急遽必要になったものの買い出し、フードデリバリーの受け取りなど、コスプレしたままでは支障が出る行動をアシスタントにやってもらいます。
イベントよりもスタジオでやる併せで見られます。
移動補助
コスプレで使用する衣装によっては、すそを引きずってしまう、重すぎて歩くのが大変、可動域が狭すぎる、視界が狭く階段や障害物が見えにくいといった移動困難に陥るものがあります。
安全に移動するのを補助するためにアシスタントが募集されることもあります。
特にガワコス(特撮ヒーローのコスプレ)や着ぐるみコスプレをするならひとりはアシスタントが欲しいところです。
わたしの感想ですが、荷物を一緒に運んでくれるアシスタントがいると併せがめちゃくちゃ楽になります。カメラマンが何往復もして機材を運んだり、コスプレイヤーが衣装に気を付けながらえっちらおっちら歩いたりするのは時間も体力も消費します。そこを補助してくれるアシスタントがいると頭が上がりません。
衣装の着用補助
ひとりで着るのが困難な衣装を着用する場合にアシスタントに頼ることがあります。こちらもガワコスや着ぐるみでよく見られます。
コスプレイヤーと同じ更衣室に入らなければならないという特性上、同性のアシスタントが求められることが多いです。
コスプレイヤーのいう通りに衣装を扱えるなら問題なく行えると思います。
レアケースではありますが、「着物の着付けができる人」「ラテックススーツの知識がある人」というような、アシスタントに技能を求めるタイプの募集もあります。
時間管理
撮影時間、着替えの時間、休憩の時間など、併せをスムーズに進行するためには時間を逐一把握してスケジュール通りに行動することが重要です。併せの時間管理は主催者が行うことが一般的ですが、アシスタントがタイムキーパーの役割をすることもあります。
特に参加人数が10人を超えるような大型の併せでは、複数個所に分かれて撮影を行うことも珍しくありません。そのため、アシスタントが各撮影スペースに時間とこの後のスケジュールを伝えて回ることがあります。
コスプレイベントの場合ですと、ひとつの撮影場所を占拠してしまわないよう、時間に気を付け、時には注意することもあります。また、コスプレイヤーの撮影に列ができている場合には列を切ったり、一人当たりの撮影時間に制限をつけたりする役割を任されることもあります。
サブカメラマン
併せによっては、アシスタントが撮影することを求めるケースがあります。
メインのカメラマンががっつり撮影している間、空いている参加者の撮影をするサブカメラマンの役割を、アシスタントと呼んでいることがあります。
この場合、ある程度写真の知識が求められます。また、カメラやライトなどの機材は自前のものを持ち込むことになると思います。
他にもアシスタントにお願いされる役割はありますし、併せごとに細かいところは変わってきますが、いずれにしても、アシスタントとは、誰かに頼まれたことをその通りにすることが求められる役職になります。
アシスタントが必要な併せ
併せの募集を見ると、アシスタントが募集されているものと、そうでないものがあると思います。
併せにアシスタントがいた方がいい場合について話します。
参加人数が多い併せ
基本的に併せの企画・進行は主催者が行います。しかし、ほとんどの場合併せの主催者はひとりなので、参加人数が増えれば増えるほど併せの運営が難しくなります。他のコスプレイヤーに協力をお願いしたとしても、撮影中であったり着替え中であったりしてなかなか都合よく空いている人がおらず結局主催者がひとりで頑張るはめに...ということも珍しくありません。
そんな時、コスプレイヤーでもカメラマンでもない人、つまりアシスタントの人がいるとお願いできることが増えます。人手があると時間にも心にも余裕ができます。
わたしの経験上、10人を超える併せではアシスタントの人がいると楽になります。
撮影以外をする予定の併せ
併せは写真撮影をするのが目的のものばかりではありません。
例えば参加者がコスプレをして競技をする運動会型の併せや、食事をする併せ、歌やダンスをする併せなど、撮影以外に重きを置いた併せというのもあります。
このように、撮影メインではない併せをする際はアシスタントを募集しておくのがおすすめです。
特に運動会系併せでは競技に使う道具の準備・片付けや、使用した体育館や運動場の清掃など、運営にマンパワーが必要になります。
各行程でどれぐらい人数が必要か計算し、参加するコスプレイヤーとカメラマンだけで足りなさそうならアシスタントを募集しましょう。
アシスタントを募集するときの注意すること
アシスタントが必要だとわかったら募集をかけなければいけません。
ここからはアシスタントを募集する際に気を付けることをお話しします。
参加費についてしっかり定めておく
アシスタントを募集する際には、参加費などの金銭面の負担をどうするかあらかじめ決めておきましょう。
アシスタントの参加費は他の参加者で分担して払い、アシスタントの参加費なしというのが多い印象です。
もちろん、アシスタントに参加費を払ってもらっても問題ないです。
大切なのは、事前にアシスタントの参加費が明確になっていることです。
もしアシスタントの参加費を分担する予定なら、他の参加者に同意をとっておく必要があります。主催者の独断で金銭の絡む決定をするとトラブルになりがちです。
アシスタントが孤立しないように気を遣う
大型併せでは特にそうですが、コスプレイヤーはコスプレイヤー同士、カメラマンはカメラマン同士で盛り上がってしまいがちです。そうなるとアシスタントが輪に入れず孤立してしまうことになります。
アシスタントも含めて、参加者全員が楽しめるように気を遣いましょう。アシスタントに雑用だけ頼んであとは放置なんてことがないようにしましょう。
アシスタントに頼むことはあらかじめ決めておく
アシスタントと一口にいっても、実際何をするかは併せによってまちまちです。そのため、「どんなことをするか分からないから応募しない」という人もいます。
募集事項を作る時点である程度アシスタントに任せることを決めておくと、人が集まりやすくなっておすすめです。
また、主催者側としても「当日どこまでお願いしていいか分からない」なんてことが起きにくくなるので、事前にお願いごとの線引きを行っておきましょう。
アシスタントで参加するときに注意すること
アシスタントとして声をかけられた、参加したい併せでアシスタントの募集があるなど、併せにアシスタントとして参加することになった場合に気を付けることも書いておきます。
打ち合わせは念入りに
アシスタントとして参加したけれど実際は何もやることがなかった、パシリのようなことばかりで楽しめなかった、なんてことがないように、事前にどんなことをするのか、どこまでやっていいのかというのは主催者と話し合いをしておきましょう。
もし打ち合わせの段階で「ちょっとこの主催者の考えとは合わないぞ」となることもあると思います。そのときは早めに断ればお互いに傷が浅く済みます。
積極的に参加する
アシスタントは併せの裏方ではありますが、併せの運営には積極的にかかわるようにしましょう。
意見を求められたら発信する、必要な連絡にはすぐ返信する、指示を待つだけではなく自分から動くことも大切です。
主役はコスプレイヤーかもしれませんが、アシスタントもいち参加者であるという認識で、併せを楽しむ努力を自らしましょう。
服装と荷物は邪魔にならないものを選ぶ
コスプレをしない分オシャレして併せに臨みたい気持ちは分かりますが、極力シンプルかつ動きやすい服装がアシスタントとして適切です。
撮影の補助をするときに写り込んでしまう広がるスカートや、ギラギラした衣装は邪魔になります。立ったりしゃがんだりする機会も多いので、動きが制限されるタイトすぎる服装も控えましょう。
コスプレスタジオによってはゴム底NG、ヒールNGなど靴に制限がある場合があります。規約をよく確認しておきましょう。
荷物を入れる鞄は両手が空く大きめのリュック、トートバッグが便利です。
併せにおけるアシスタントは地味な役回りですが、スムーズに併せを運営するうえで大変ありがたい存在でもあります。
必要に応じてアシスタントを募集し、併せを乗り切りましょう。