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【コスプレ】衣装の布に柄入れするならセタカラーが便利

【PR】この記事には広告を含みます。

コスプレ衣装には柄がつきものです。柄をどうやって入れるかは衣装を自作するコスプレイヤーにとって頭を悩ませる問題のひとつです。

今回はわたしがいつも衣装の柄入れで愛用しているセタカラーを紹介します。

過去に柄入れについての記事も書いているので、あわせてどうぞ。

tami-sf.hatenablog.com

 

【目次】

 

セタカラーとは

セタカラーはペベオから発売されている布用塗料です。

www.pebeo.co.jp

高い発色性能が特徴の塗料で、さまざまな色や種類が展開されています。

本記事においては注釈がない限り「セタカラー」とは「セタカラー不透明色」を指すこととします。

 

セタカラーのおすすめポイント

セタカラーがなぜコスプレ衣装の柄入れにおすすめか語っていきます。

耐水性がある

セタカラーは乾くと水に強くなるという特徴があります。

加えて、乾燥後にアイロンで熱を加えると洗濯をしても色落ちしなくなるほど堅牢になります。

そのため、コスプレ中に急に雨に降られたときや水撮影の時などの色落ちが心配な場面で活躍します。

また、洗濯ができるということで汗をかく季節のコスプレにもぴったりです。

 

カラーが豊富

セタカラーは色展開が豊富なので、自分が使いたい色を選ぶことができます。

もし使いたい色がなかったとしても混色ができるので、色の微調整によって理想の色を作ることもできます。

わたしが特に好きなのがセタカラーのシマー色です。シマーには細かいグリッターが入っているのでキラキラと光沢のある仕上がりになります。

 

布の色を問わず使える

セタカラーの不透明色は布地の色に左右されず発色します。濃い色の布に薄い色を乗せてもきれいに発色するのでコスプレイヤー泣かせのカラフルな衣装で重宝しています。

これは過去にセタカラーを使って作った衣装です。矢印の箇所がセタカラーによって着色された部分です。

布に緑や白を直接乗せていますが、布の色に負けず発色してくれています。

 

乾燥後に重ね塗りをすることでさらに鮮やかに発色します。

自分の好みに応じた発色を調整できるのもいい点です。

 

特殊な道具は不要

セタカラーを塗るとき、特殊な道具は必要ありません。

筆と汚れ防止の新聞紙があればすぐ使えます。最悪手でも塗れます。

下地も不要なので、いきなり布に塗れるのが直感的かつ時短になって嬉しいです。

セタカラーが付いたまま筆を放置するとカチカチに固まってしまうので、使わないときはよく洗っておくか水に付けておくのがおすすめです。シリコン筆を使うと拭き取るだけで済むので便利です。

 

セタカラーの気になる点・注意点

便利なセタカラーですが、使う時に知っておいた方がいいこともあります。

購入できる場所が限られている

セタカラーは大型の手芸店や一部チェーン手芸店でのみ購入できます。

筆者は愛知県民なので愛知の手芸店を例に出すと、名古屋の大塚屋やユザワヤの一部店舗でのみ見たことがあります。小規模な手芸店ではほぼ買うことができません。

そのため、急に使いたくなってもすぐ手に入るとは限らない点に注意してください

主な購入先はネットのECサイトになると思います。

わたしはAmazonプライムお急ぎ便でセタカラーを買い、衣装作成の修羅場を何度か潜り抜けています。ありがとうAmazon

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塗布した場所は固くなる

セタカラーを塗った場所はどうしても固くなります

特に重ね塗りした箇所に関しては折り目がつけづらくなったり、きれいにドレープが出なかったりします。

ふんわりさせたい場所にはあまり向かない塗料ではあります。

逆に柄を全面に押し出したいような場合は向いているので、衣装によって他の塗装方法と使い分けるのがいいと思います。

 

容量が多い

セタカラーは一本あたり45ml、値段は700~800円程度となっています。

セタカラーは少量で高発色かつ持ちがいいので、たくさん使いたいときや何度も使いたい時は重宝するのですが、少しだけ使いたい場合この45mlというのは多すぎると感じます。

保管するにも場所をとるので、扱いにはちょっと困ります。

 

ムラなく塗るのは難しい

セタカラーは手塗りがメインになるので、どうしても塗りムラができます。

特に筆を使って塗ると筆の跡や絵の具の染みこみ具合でムラが出やすいです。

重ね塗りをする際塗る方向を替えることで多少マシになります。

目視だと気になる色ムラですが、写真に写ると案外気づかないレベルだったりするので妥協できるラインを探るというのも一つの策です。

 

裏側が見える衣装では処理必須

セタカラーを塗布した箇所はほぼ確実に裏に染み出すと思っていいです。

表から見るときれいな柄が入っていても、裏側が汚くなってしまいます。

裏が見えない箇所に使用するのなら問題ないのですが、裏が見える箇所、たとえばスカートのすそやマントなどでは何らかの処理をした方が美しいです。

裏地を付ける、折り返して見えなくするなどの工夫をしましょう。

 

セタカラーを実際に使ってみた

では、実際にセタカラーを様々な条件で使ってみます。

以下の作業はすべて筆による手塗りで行っています。

また、暖房を付けていない冬の室内で実験しています。湿度や温度によって実験結果は大きく変わるものと思います。

耐水性を試す

まずはセタカラーの耐水性の実験です。

ポリエステルツイルにセタカラーを塗布したものを用意しました。

上から順に

・塗布後自然乾燥しアイロンで熱を加え定着させたもの

・塗布後自然乾燥2時間させたもの

・塗布後10分乾燥させたもの

です。各布の左が1度塗り、右が2度塗りしたものです。

この時点では見た目にほぼ差異はありません。

これをぬるま湯に10分漬けてどれぐらい色落ちするのか確認します。

 

まず10分乾燥したものがこちらです。

色落ちが激しいです。

乾燥時間が短いと色落ちしてしまうので、色移り・色落ちを防止したい場合は十分に乾燥時間を取らないといけないようです。

 

続いて自然乾燥のみ。

ほぼ色落ちはありません。

水で塗れる程度なら自然乾燥で十分なようです。

 

最後に自然乾燥に加えアイロンで熱を加えて定着させたものも沈めます。

こちらも自然乾燥のみと同様にほぼ色落ちはありませんでした。

 

その後塗布部分をこすりつつ、すすぎ、干して乾かした結果がこちらです。

乾燥が十分でなかったもの以外、水に塗れる前と後で大きな差はありません。

これは体感ですが、アイロンをかけた方が乾きが早かったように思います。おそらくですが、耐水性が増すことで水が浸透しづらくなっているのかもしれません。

 

濃い色と薄い色の布に塗って比較

黒と白のポリエステルツイルにセタカラーを塗布しました。

左が一度塗り、右が二度塗りです。

黒の一度塗りでは布地の色が若干透けているのが分かります。

二度塗りすることで布の色に関係なくきれいに発色することが分かります。

また、ツイル特有の織りも二度塗りによって潰せています。

 

色の重ね塗り実験

緑の上から白を塗り重ねる実験をします。

緑色を塗布後2時間乾燥させたのち、上から白の丸を描きました。

白は二度塗りしています。

二度塗りしてもなお若干緑色が見えています。

円を真っ白にするには3度塗り以上が必要そうです。

濃い色の上に薄い色をのせる場合はあらかじめ発色の具合をテストしたほうがよさそうです

いろいろな生地に塗って比較

さまざまな生地にセタカラーを塗布してみます。

どの生地も一度塗りかつ2時間の自然乾燥をしています。

ポリエステルサテン

薄ピンク色のサテンにセタカラーを塗布しました。

サテンはセタカラーの伸びがよく、少量で広い範囲を塗ることができました

少量で済むので乾くのも早いです。

一見すると表と裏で塗ったときの差はありませんが、サテンの裏に塗ったものには周囲にシミが出ています。繊維の方向的ににじみができやすいのかもしれません。

サテンにセタカラーを使うなら表(光沢のある面)に使うときれいに仕上がります。

 

余談ですが、このとき下に広告チラシを敷いた状態でセタカラーを塗り乾くまで放置していたところ、チラシがセタカラーにくっついてしまうというアクシデントが起きました。紙を敷く場合は気を付けてください。

綿シーチング

シーチング生地に塗布しました。

一度塗りでも十分発色しました。

織目の方向に合わせて塗るとより綺麗に塗れます。

綿のためか、化繊生地に比べて若干必要な絵の具の量が多い気がしました

あと、裏に染み出す量は一番多かったように思います。塗るときは机を汚さないような対策必須です。

 

リブニット

服の袖などに使われるリブニットに塗布しました。

リブニットは例外的に二度塗りしていますが、それでもくっきりはっきり塗ることはできませんでした。生地の段差に色がうまく乗りません

ニットの伸縮方向に引っ張ると、段差に色が入っていないことがよく分かります。

凹凸があるニット生地の場合、生地が伸びたときの見え方に注意したほうがよさそうです。

 

イクラストレッチニット

イクラ生地は縦にも横にも伸びる生地です。コスプレ衣装ではタイツや靴下、レオタードなどでよく見る生地です。

同じニット生地ですが、リブニットと違い筆で塗布してもムラが少なくはっきり描けました。

イクラに塗布した時の最大の特徴としては、裏写りがほぼないという点が挙げられます。

織りで作られた布にも関わらず裏に染みていませんでした。

先ほどセタカラーを使った際は裏側の処理が必須と書きましたが、ライクラに関しては例外のようです。

塗布した箇所を縦横に引っ張ってみました。

少々割れ目が見えるものの、リブニットの時ほど目立つことはなさそうです。

 

合皮(フェイクレザー)

茶色の合皮にセタカラーを使用しました。

他の布地と違い、合皮がセタカラーを吸わないので筆の跡がくっきりと残ります。一度塗った場所に再び筆を走らせるとどんどん塗りムラが出てしまいます。

セタカラーの伸びはかなりいいです。サテンの表地と同等程度伸びます。

合皮なのでアイロンで熱定着できない点は注意ですね。

セタカラーには革専用のものがあるので、そちらの方がうまくいくのかもしれません。

 

まとめ

セタカラーは生地を選ばず手軽に使えるので、さまざまな布を扱うコスプレイヤーの味方と言えます。

どうしても塗りムラや生地によるクオリティーの差は出てしまいますが、それでも写真写りには問題ないと思うので、ぜひセタカラーを活用してみてください。