しもじものたみ

生き抜け!コンクリートジャングル

かえってきたズッパ

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こんにちは、たみです。

 

9月ですね。9月つっても、もう折り返してますけど。

 

もうね、1年が一瞬出すぎていく。陰矢の如しっていいますけど、矢どころじゃない。マスドライバーかなんかで射出されてる。

 

社会人として会社に勤めていたときも光陰マスドライバーの如しだったけど、中身はもっと詰まってたと思うの。むしろ詰まっていたからこそ1年終わるの早ぇなって。しかし今やノー労働。1年の中身スッカスカなわけ。振り返っても、先を見てもなにもない。「この間あがっていた花火ってどこの催しだろう」と検索したら、8月の頭だった。全然この間じゃない。この8月と9月に発生したイベントがなさ過ぎて時間が、zipか?っつーぐらい圧縮されてしまった。そりゃ1年もマスドライバーですわ。「朝には紅顔ありて夕には白骨となれる身なり。」とはよく言ったものだわ。

 

これはね、さしものわたしも、だめだなと。ここらで一発イベントを巻き起こさないと、ばっちり夕には白骨よ?なんなら2度寝かましたら白骨の説すらある。かといってね、こんなご時世ですから。できれば人があまりいない場所の、さらに人がいない時間帯が望ましい。でももう自宅は無理です。それはこの8月9月が物語っている。

 

とりあえずね、美味しいものをいただきましょうとね、思い立ったわけです。普段よりちょっといいことがあればそれはもう立派なイベント。派手にアトラクションに乗ったり、買い物をしたり、そういうことだけじゃないんですよ。まぁ実際は、急なおはしゃぎが発生すると心身に支障をきたす恐れがあるので、「おかゆ」的にイベントを摂取しようという魂胆なんですけど。

 

んで、サイゼリヤへ来たわけです。小6のときはじめてサイゼリヤを訪れて幾星霜、サイゼリヤに行けばうまいものが食えると刷り込まれたこの体は、素早く「サイゼいこうぜ」を脳に伝達したってわけ。

 

正直ね、つらかった。サイゼリヤに行くことを心に決めたのが午前10時。普段昼食を12時に食べるから、約2時間待たなければならないの。もうね、パブロフの犬なの。サイゼを目の前にして耐えられるわけがないの。わたしの脳にはサイゼのメニューがインプットされているから、注文のシミュレーションをしてやり過ごした。到着し次第よどみないオーダーができるように。

 

そこでふと、思うわけ。あれ?12時って一番人多いのでは?と。世はまさに大コロナ時代。図書館とかも座席間隔をあけていたりするもんだから、ひょっとするとサイゼは今大混雑なのでは?と。

 

サイゼリヤには迷惑をかけられないので、もっと到着を遅らせよう。さすがに14時なら人も減っていい感じじゃないかな。わたしのことは気にしないで。本日のコースの構築をしているところだから。

 

んで、ついに待ちに待ったサイゼリヤ。胃のアップも済んでますから。なんなら、アップがね、ちょっと熱入っちゃったのか、若干胃液で胃が痛いですけど。でも、やる気ならマジ店内の誰にも負けないんで。

 

案内された座席に座ると、流れるように注文用紙を手にし、記号番号を記入する。4時間もあれば、今日の気分に合わせた完璧な構成の料理を注文できる。この日は、エスカルゴのオーブン焼き(AA05)、やわらか青豆の温サラダ(AA06)、アーリオ・オーリオ(PA08)、ペコリーノ・ロマーノ(TP02)にした。この布陣はアーリオ・オーリオに各種サイドメニューをトッピングとすることで、無限の味変を繰り広げることができる。しかもピッタリ1000円。会計のときに1000円札をそっと出すだけだなんて、なんてスマート。

 

あとはボタンを押して店員さんを呼ぶだけなんだけど、この日はなんとなくね、「メニュー見返そうかな」って思った。普段なら、店員さんにオーダー用紙を渡してから最初の料理が届くまでの間にメニューをみて、次回のスターティングメンバーの参考にするのよ。そういえば、メニューの表紙が変わっているし、もしかしたらオーダーの番号が変わっているといけないから、一応確認しておこうって気分になったのね。間違ってたら迷惑だし。

 

メニューを開いて真っ先に、記入した番号が間違っていないか確認した。自分でも驚くぐらいノーミスだった。自分の記憶容量の一部をサイゼのメニューが占めていることに誇らしさと、若干の困惑を抱いた。まぁ、ほかにね、もうちょっと覚えることとかないの?とは思ったよね。それはそれ、これはこれなので、店員さんを呼ぼうとベルに手をかけたの。なんせもう胃が高潮みたいになってっから。アクア・ラグナのウォーターセブンなの。もうそろそろメリー号が出航しちゃう。

 

ボタンを押す一瞬前、見つけてしまったんですね。

「たまねぎのズッパ」を。

 

たまねぎのズッパは、メニューから姿を消していたスープだ。とろとろに熱が入った玉ねぎが大変美味しい。さらに、ここにチーズとパンが入っている。わたしの好きなものしか入っていない。サイゼリヤのペルソナ顧客は多分わたしです。

 

このスープには、何度も命を救われてきた。

深海魚を食べて腹を痛めて2日ちかくまともに食事がとれていないときに、食べられたのはたまねぎのズッパだった。暖かいスープがからっぽでヒリヒリしていた胃に染み渡った。

繊細なわたしの歯茎がはれ上がって、まともに咀嚼ができないときにもズッパは大活躍だった。ズッパの中の野菜はどれも柔らかいし、チーズはとろとろ、パンはスープがよくしみて歯が必要なかった。

仕事で厳しめの怒られが発生したときは、サイゼに寄ってズッパを注文した。鉄の器が暖かくて癒された。

 

ある日、グランドメニューからたまねぎのズッパが姿を消した。確かに「季節限定」と書いてあったかもしれない。それにしたって、早すぎない?こちとら永遠に食べる気でいたんだが?おそらくサイゼリヤにもいろいろ思惑があるのだろうけど、悲しくってたまらなかった。

 

もちろん、家でなんとかジェネリックズッパを作れないものか、試した。試行錯誤は重ねたけど、なんというか、「玉ねぎ汁」だった。ズッパなんてしゃれた感じにならない。汁。わたしのジャパニーズDNAがスープを汁にしてしまう。ズッパは再現できなかった。

 

頭をよぎったのは、真イカのパプリカソース。このメニューもサイゼリヤのグランドメニューから姿を消してしまった。しかも今日まで、復活の兆しなし。長いことグランドメニューに載っていた真イカですら、いざとなればメニューからいなくなってしまう。であれば、「季節限定」の文字のなんとはかないことよ。わたしは、たまねぎのズッパをもう諦めていた。ありがとうズッパ。来世で会おう。

 

と、思っていた矢先にたまねぎのズッパ奇跡の大復活。今日を復活祭としましょう。

店員さんを呼ぶ前で本当によかった。迷わずオーダー用紙に「SU07」を追加した。1000円だから支払いがスマートとか言ったの誰ですか?今それどころじゃないんで。小銭いっぱい持ってるんで大丈夫です。

 

たまねぎのズッパは、ほかのメニューに比べてサーブが遅れる傾向にあるが、店員さんに思念が通じたのか、どの料理より先に到着した。アツアツの鉄の器、甘い玉ねぎの香り、真ん中にはパンが天国の島だといわんばかりに浮かんでいる。島には鮮やかなパセリの緑が映える。

 

思い焦がれ、待ち望んだ、あのたまねぎのズッパが、目の前にある。

 

わたしは、スプーンを手に取ると、玉ねぎとチーズとパンを同時にひと掬いする。

もう我慢できなかった。ああ愛しのズッパ、いただきま

 

 

 

アッッッツ!!!!

 

 

 

(ズッパはマジで熱いからみんな気を付けてね)

 

※わたしのくそ雑魚歯茎の話はこちら

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