コスプレに興味を持って「撮影してみたい!」と思っても、何から手を付けていいか分からない人も多いのではないでしょうか。今回はそんな人向けに、しつこいぐらい細かくコスプレを撮影するときの流れやマナーを解説します。
この記事では「コスプレイベントへ行って撮影する」という状況を想定しています。ロケやスタジオ撮影については後日別記事にて執筆予定です。
長文となっているので、目次を活用して読んでください。
【目次】
STEP1:参加するイベントを決める
まずは、参加するコスプレイベントを決めましょう。
「地域名+コスプレイベント」で検索すれば何件かヒットするはずです。
一緒に参加する人がいるなら、その人に合わせてイベントを選ぶのもいいでしょう。
わたしはコスプレイヤーズアーカイブの「未来のイベント」機能をよく利用しています。
自分の目的に合ったイベントを探しましょう。
イベントにこだわりがないなら、参加人数が多く、野外で開催される、一番近い日程のイベントへ行くのがおすすめです。コスプレイベントのカメラ参加で一番つらいことは、「コスプレイヤーを撮影できなかった」ということなので、参加人数が多ければ撮影のチャンスが増えます。
また、あまりコスプレ撮影について詳しくないうちはロケ系イベントは避けることが無難です。美しい風景で撮影できるロケ系イベントは参加費が高い場合が多く、加えてコスプレイヤーと専属のカメラマンが一緒に参加する場合がほとんどです。一人で参加して撮影できる確率は低いので、同行者と一緒に参加しましょう。
参加するイベントの目星がついたら、この時点でイベントの参加規約に目を通しておきましょう。規約によってはやりたいことができない可能性があります。「食事風景を撮影したかったのに飲食禁止のイベントだった」「三脚の使用禁止のイベントだからストロボの練習ができない」といったことにイベント当日気づくと悲しくなります。
STEP2:機材を用意する
参加するイベントが決まったら、次はコスプレ撮影のための機材を用意しましょう。
イベントを決めてから用意する方がモチベーションが高まるので推奨していますが、機材を用意したあとイベントを決めても全く問題ありません。
インターネットにはわたしより詳しく機材を選ぶ基準を紹介しているサイトがたくさんあるので、詳しい機材の選び方については割愛します。
昔は携帯で撮影されることを拒否するコスプレイヤーが結構いましたが、今はずいぶん減りました。そもそもコスプレイヤー自身がセルフィーで撮影した写真をSNSに掲載していますしね。スマホのカメラの質もここ数年で向上しました。下手なコンパクトデジカメよりずっときれいに撮影できます。
なので、高級な一眼レフカメラをそろえなければコスプレの撮影ができないということはありません。イベントに一人で参加して、さっと撮影する程度ならスマホのカメラでも十分撮影できます。カメラの購入が不安ならスマホカメラで何回かイベントに参加してみて、それでもカメラが欲しければ購入してもいいと思います。
ちなみにですが、わたしが今のカメラを選んだ理由は、「見た目がかっこいいから」です。機能などは全く考慮していませんでした。知り合いは「シャッターを切る音がよかったから」でカメラを選んでいました。カメラや機材は難しく考えなくても買えるものです。
先ほどSTEP1のイベント選びで「野外イベント」をおすすめしましたが、野外は太陽の自然光が入るためストロボなどの周辺機器がなくてもいい感じの写真が撮りやすいからという理由もあります。カメラも買って、周辺機器も買っていたら10万20万は余裕でかかります。周辺機器ものちのち欲しくなったらそろえる感じで大丈夫です。
ひとつ忠告するとすれば、コスプレ撮影においてはフィルムカメラはこだわりがない限り使わない方がいいということです。味わい深い写真が撮れるフィルムカメラですが、現像のために写真屋さんを利用するという点から、「知らない人にコスプレ写真を見られたくない」と忌避感をもつコスプレイヤーが多いです。もちろん撮影をOKしてくれるコスプレイヤーもいますが、断られることも増えると思うので覚悟が必要なカメラです。
STEP3:イベント参加の準備をする
カメラを用意したらイベントに参加するための準備を始めましょう。
準備は日数にゆとりをもって進めることが大切です。
イベント参加を決意した日からやること
- カメラの操作に慣れておく
カメラには多種多様な機能が付いています。イベント当日に慌てないためにも、日ごろからカメラを触って慣れておきましょう。特に一眼カメラは感覚で触る部分も多いので、どんな機能を使えばどんな写真になるか把握しておくことが大切です。
スマホで撮影予定の場合であっても、一通り触っておきましょう。最近のスマホは高性能なので、背景をぼかしたり、ピントを任意に合わせられたりするので、そういった便利機能を把握しておくとより素敵な写真が撮れます。
余裕があるなら、イベント会場になる場所に実際に足を運び写真を撮ってみると予行練習になります。
- SNSアカウントを作っておく
コスプレイヤーとの交流にSNSでは必須です。同行者探し、撮影の約束、写真の受け渡しなどはSNS上で行われます。もしSNSのアカウントを持っていないのなら、この時点で作っておきましょう。
現在一番コスプレイヤーが多く利用しているのはX(旧Twitter)です。コスプレイヤーズアーカイブ、Instagram、Mastodonなどを使用しているコスプレイヤーもいますが、Twitterが圧倒的に多い印象です。
コスプレイヤーとのやり取りだけでなく、イベントの情報を知るのにSNSは重宝するので、今後もコスプレ関係の趣味をする予定ならアカウントを作っておいて損はないです。
- 同行者を探す
コスプレイベントはひとりで参加しても十分楽しいです。ですが撮影初心者のうちはひとりだと心細い場面もあるでしょう。そんなときは事前にイベント中一緒に行動する人(同行者)を探しておくという手もあります。
同行者がいるメリットは、イベント中の時間を有意義に使うことができる点です。ひとりでイベントに参加すると撮影していない時間は手持ちぶさたになりがちであったり、コスプレイヤーに声をかけて回らなければ撮影できなかったりします。同行してくれるコスプレイヤーがいればこのような撮影者探しの時間がかなり減ります。
Twitterなどで同行者を募集しているコスプレイヤーがいたらDMなどでコンタクトをとってみましょう。気になるコスプレイヤーがいたらこちらから同行を打診してみるのもいいでしょう。
ただ面識がない状態で同行してくれる人は少ないです。「同行者が見つかればラッキー」程度の軽い気持ちでいた方が精神衛生上よろしいです。
- 参加チケットの購入
もし参加を決めた時点でイベントのチケットが販売されている場合、すぐに購入しましょう。チケットの枚数に制限があり売り切れてしまうことがあります。せっかく参加を決意したイベントがあっても参加できないのは悲しいのでなるだけ早く購入しましょう。
ここで注意してほしいのは、チケットの種類です。多くのイベントではコスプレイヤー用のチケットとカメラマン用のチケットは別で販売されています。間違ってコスプレイヤー用を買わないようによく確認してください。
イベントによってはカメラマンの参加が無料なこと、当日チケットのみあること、参加受付が必須なことなど、参加方法はイベントごとに異なります。参加規約をよく読んで適切な方法をとりましょう。
特に注意が必要なのは、スマホを使って撮影する場合です。カメラを使用せず参加する場合であってもカメラマン用のチケットが必要なイベントもあります。繰り返しになりますが、自分の参加方法にあったチケットは規約をよく読んで確認しましょう。
間違っても規約に沿わない参加方法をとることがないようにしてください。イベント参加費をケチってチケットを買わない、受付を通らないなどルール違反することがないようにしてください。コスプレイヤーは意外と見ています。
- 名刺や名札の準備
イベントで撮影した写真は後日インターネット上で被写体に送るのが通例です(後述)。そのためSNSなどを通じて連絡先を交換する場面があります。
そのときに重宝するのが名刺です。自分の連絡先を素早く伝えることができます。
名札をつくっておくのも便利です。特にSNSで顔を公開していないカメラマンは相互フォロー状態であってもコスプレイヤー側からは顔と名前が一致しません。自分の名前とSNSのアカウントが書かれた名札を付けておくと顔を覚えてもらいやすいです。
イベント一週間前にやること
- 荷物の準備
コスプレイベントに慣れるまでは1週間前までにすぐにイベントへ行けるレベルまで荷物の準備をしておきましょう。この時点で不足しているものがあればまだ調達できます。
忘れがちな荷物としては以下のものがあります。
- 差し入れの準備
もしコスプレイヤーへの差し入れを考えているなら、一週間前に用意しておくと安心です。個包装で、かさばらず、日持ちして、天候に左右されないものが喜ばれます。個包装のお菓子、めぐリズムなどの疲労ケアグッズなどが差し入れの定番です。
差し入れについての詳しい内容は今後記事にしようと思います。
差し入れ自体は必須ではないので、用意しなくても問題ありません。コスプレをしているときの体感としては、何らかの差し入れをくれる人は交流した人の20%前後です。
- イベント会場の駐車場を確認
撮影のためのカメラや機材をもって移動するのは大変なので、自家用車でイベント会場に向かう人も多いのではないでしょうか。
イベント会場に駐車場があるかここで確認しておきましょう。
たとえよく知っている会場だとしても必ず確認してください。「駐車場自体はあるけれどコスプレイベント参加者の利用は禁止」というパターンも存在します。
また、参加者に対して明らかに駐車可能な台数が少ない場合もあります。
そんなときは『軒先パーキング』や『akippa』などの駐車場予約サービスを利用して事前に近隣の駐車場を予約しておくと安心です。
- 体調を整える
コスプレイベントは想像以上に歩き、しゃがみ、筋肉を使います。特に7月から9月にかけての夏場のイベントは想像を絶する過酷な環境です。体調不良でコスプレイベントに参加するのは自殺行為なので絶対にやめましょう。
イベント一週間前から睡眠時間を十分に取り、ごはんをきちんと食べ、適度に運動するなど体調を整えることを意識しましょう。
1週間かけて体調が怪しいならイベントに参加しないという決断をすることも視野に入れましょう。命あっての趣味です。
- 衣類やカバンの臭い対策
コスプレイベントが過酷であるという話は上でしましたが、過酷であると汗を大量にかきます。夏場はもちろん、冬の撮影であってもうっすら汗ばむことがあります。
汗を吸った服は時として嫌な生乾き臭を発します。わたし個人の意見ですが、コスプレをしていて一番辛いのがこの汗由来の臭いを放つ人との会話です。撮影のマナー云々より気になります。
コスプレイヤーに嫌な印象を持たれる前に、衣類の臭い対策をしましょう。
生乾き臭の原因は雑菌によるところが大きいので、漂白剤を使った洗濯、熱湯による消毒などが有効です。デオドランドスプレーの香りで上書きするのは臭いが混ざって悪化するのでおすすめしません。
忘れがちなのがカバンです。特にカメラバッグはカメラマンが肌身離さず身に着けるので知らず知らずのうちに汗水を吸っているものです。衣類の消毒ついでにカバンの臭い対策も忘れずに。
わたしはオキシクリーンに衣類を漬ける、通称オキシ漬けにて対策しています。
イベント前日にやること
待ちに待ったイベントの前日。はやる気持ちを抑えて明日の準備をしましょう。
- 同行者へ連絡
もしイベントで一緒に行動する人がいるなら、イベント前日の段階で一度連絡を取っておきましょう。
コスプレイヤーと同行する場合、前日までに待ち合わせ場所を決めておくとスムーズに行動できます。コスプレイヤー用更衣室付近は待ち合わせに利用されやすいので人混みになりやすくなかなか同行者を見つけることができません。あらかじめ連絡をとっておくことで人探しをある程度回避できます。
同行者と自分の感覚をすり合わせておくのも大切です。「自分はまったりイベントを楽しみたかったのに同行者はバリバリ撮影したがって辛かった」「いろいろなコスプレイヤーを撮影したかったのに同行者の専属カメラマン状態になってしまいイベントを楽しめなかった」なんてことにならないよう、どれぐらいの意識でイベントに臨むか確認しておきましょう。
特に決めることがなくても、前日までに一報入れておきましょう。「明日はよろしくお願いします」程度で大丈夫です。当日連絡がつかないリスクを減らせます。
- 荷物の最終確認
すでに荷物はセットで来ていると思いますが、もう一度確認します。
特にクリティカルな部分を重点的に確認しましょう。バッテリーの充電、メモリーカード、チケットは忘れると何のためにイベントに来たのか分からなくなります。
- イベントについて再確認
イベント規約、受付や本部の位置、撮影可能エリア、持ち込み可能機材などを確認します。必要に応じてすぐ見られるようにしておくといいでしょう。わたしはスマホにメモするだけでなく、紙に書いてみられるようにしています。
当日会場で確認することもできますが、前日に確認しておくことで焦らずに行動できます。
同行者との待ち合わせ場所もこの時点で確認しておきましょう。
時間があるようなら、会場内のいい感じのロケーションを地図上で探すのがおすすめです。「ここではいい写真が撮れそうだ」というスポットを探すのは楽しいです。
イベント当日~会場到着までにやること
前日までにほとんどの準備は終わっているはずですので、イベント当日の朝やることは確認作業です。
- 荷物の最終確認
さんざん確認している荷物ですが、家を出発する前にもう一度確認しましょう。
この確認は忘れ物防止というより、自分を安心させるために行う儀式のようなものです。
ここでのポイントは、最低限の確認しかしないことです。カバンのあちこちを開けては戻すを繰り返して確認すると、かばんから出したことを忘れてしまうという可能性があります。
チケット、財布、携帯があるか確認する程度にとどめて、あとは前日までの自分を信じましょう。
- 会場の動向を探る
コスプレイベントは開催時期や天気によって参加人数が大きく変わることがあります。例年であれば並ばず入場できたイベントも、近年のコスプレブームで参加者が増えて入場までに1時間待ちなんてことも。
SNSなどを通して現在会場がどんな状態なのか確認しておくと、何かしらの対策がとれることがあります。
家を出る前にざっくりと把握しておきましょう。
STEP4:イベントに参加する
イベント入場
いよいよイベント会場に入場です。
受付でチケットと引き換えに参加証をもらいます。参加証はよく見える位置につけておきましょう。
参加証をかばんの中にしまい込んだり、上着などで隠れる位置に付けたりする人がいますが、すごく損していると思います。わたしがコスプレするときは、参加証が見えない人に撮影を許可することはほぼありません。「この人はルールを守らないひとかも」と警戒して自衛のために拒否しています。せっかくチケットを買ったのに不要な警戒で撮影できないのは損なので、参加証はすぐ見える位置につけることをおすすめします。
会場に入ったら、自由に行動できます。
撮影に専念するもよし、会場をブラブラ歩くのもよし、知り合いを探すのもよし。
同行者がいるなら合流しましょう。
SNSで入場した旨を発信すると、知り合いが探しに来てくれるかもしれません。
入場して一息ついたら、カメラの設定を済ませておきましょう。コスプレ撮影は限られた時間で写真を撮らなければならないので、被写体を前に設定をいろいろいじるのは難しいです。会場の天気や明るさを見て絞り(F値)やシャッタースピードなどの大まかな値を決めておきます。
コスプレ撮影の流れ
ここではコスプレイベントにおける基本的な撮影の流れを解説します。
- 撮影したいコスプレイヤーを見つける
日本のコスプレイベントは、基本的にカメラマンからコスプレイヤーに声をかけることで撮影が始まります。コスプレイヤー側からカメラマンに撮影を依頼されることは滅多にありません。
会場を観察して「撮影したいな」と思えるコスプレイヤーを探しましょう。
- レイヤーの顔側から「すみません」と声をかける
コスプレを撮影する前には必ず声をかけましょう。無断で撮影するのはマナー違反です。
かといって、いきなり「撮影よろしくお願いします!」と言われてもコスプレイヤーは困ります。「自分が声をかけられたのかな?」「この人知り合いだっけ?」などと考えてしまいます。
まずはコスプレイヤーに「すみません」と声をかけるところから始めましょう。
この一言があるとないとではコスプレイヤー側が抱く印象が全然違います。一言クッションがあるだけで心構えができます。
注意してほしいのが、話し方です。
コスプレイヤーの大半はウィッグをかぶっているのですが、ウィッグを着用中は耳が覆われてしまい小さな声が聞こえないことがあります。そのため、背中側から声をかけたりボソボソと話すと聞き取ってもらえません。
コスプレイヤーに話しかけるときは、物腰柔らかく、それでいて大き目の声でゆっくり話すよう心がけましょう。
- 撮影許可を得る
「すみません」によってコスプレイヤーに意識を向けてもらったら撮影の許可をとりましょう。何度も言いますが、無断で撮影することはマナー違反です。
「写真を撮らせてもらっても大丈夫ですか?」と言えばOKです。
多くの場合許可してもらえますが、断られることもあります。
断られたときは「なんでダメなんですか!?」などと食い下がらず撤退しましょう。
撮影を断られたからといって無言で立ち去ることがないようにしましょう。「またお願いします」など一言添えてその場を後にします。
【撮影許可取りバリエーション集】
「写真を撮らせてもらっても大丈夫ですか?」
最もスタンダード。これさえ言えれば大丈夫です。
「n枚撮らせてもらってもいいですか?」
nには1~5程度の数字が入ります。「写真を撮らせてもらっても大丈夫ですか?」と組み合わせて使います。
長時間の撮影を嫌うコスプレイヤーもいるので、枚数を指定すると安心してもらえます。
「○○撮らせてもらえますか?」
○○にはポーズや角度が入ります。(例:「しゃがんだポーズで撮らせてもらえますか?」「うしろから撮らせてもらえますか?」)
常識的なお願いは聞いてもらえることが多いので、勇気を出してリクエストしてみるのもいいでしょう。
キャラクターから著しくかけ離れたポーズや卑猥なポーズ、コスプレイヤーの嫌がるポーズをお願いするのはやめましょう。
「ポーズはおまかせしていいですか?」
キャラクターは知らないけれどコスプレイヤーが素敵で撮影したい時に使います。どんなポーズをするか分からないキャラにポーズのリクエストするのが忍びない場合、わたしはコスプレイヤーさんにすべてお任せしています。
「すみませんでした。また機会があればおねがいします。」
撮影を断られたときに使います。この一言があると印象がいいです。
- 撮影開始
撮影許可が取れたら、いよいよ撮影開始です。
コスプレ界隈には、シャッターを切る前にカウントダウンする風習があります。「いきまーす!3.2.1」といった具合です。ゼロのタイミングでシャッターを切ります。こうすることで、コスプレイヤーはかけ声に合わせて姿勢を整えたり目を閉じないよう意識したりすることができるわけです。
必ず声を出してシャッターを切らなければいけないというわけではありませんが、声をかけた方が親切です。
余裕があるなら、次に撮影する場所を伝えるようにするといいでしょう。
「次は胸から上を撮ります」「全身撮ります」といった感じですね。コスプレイヤーとしてはどこを意識すればいいか分かりやすくてありがたいです。
撮影時は大きめの声を出しましょう。カメラマンとコスプレイヤーは距離が生まれるので、小さい声だと聞こえません。参加者の多いイベントの場合、ちょっと声が大きすぎるかな?と思うぐらいで丁度いいです。不安であれば撮影直前に「私の声って聞こえてますか?」などと確認するのもありです。
もし撮りたいポーズがあるなら、「こんな感じで撮りたいんですけどいいですか?」と提案してみましょう。(断られることもあります)
イベント会場で声をかけて撮影する場合、撮影する写真は5枚程度におさめておきましょう。特に後ろに撮影の順番待ちの列ができている場合、素早く写真を撮って次に譲るように心がけましょう。
どうしてもたくさん写真が撮りたい場合は、コスプレイヤーに確認しながら撮影しましょう。「もう3枚撮影していいですか?」などと声をかけながら様子を見ましょう。コスプレイヤーが疲れた様子を見せたりしたらすぐ撮影を終えるようにしましょう。
ポーズや撮影枚数に限らず、コミュニケーションは大切です。コスプレイヤーによって得意なこと、苦手なこと、撮ってほしいところ、撮られたくないところが違います。会話をしながらすりあわせていくのが一番大切です。
過去にコスプレイヤーと話す時のアドバイスをしたためているので、よかったらこちらも参考にしてください。
https://tami-sf.hatenablog.com/entry/2023/05/29/143647
- 写真を確認してもらう
撮影が終わったら写真を確認してもらいます。カメラのモニタに撮影した写真を写して確認してもらってください。
写ってはいけないもの(下着や個人が特定できるものなど)が写っていないか、思い通りの写真になっているか確認してもらいます。
NGが出た写真については間違ってアップロードしないためにもその場で削除してしまいましょう。
コスプレイヤーによっては、ここで「もっとこんな感じで撮影してほしい」とリクエストすることもあります。
写真の確認作業はスマホ撮影の場合やらなくても問題ないです。(勿論確認しても大丈夫です。)
逆に、囲み撮影(後述)や撮影待ちの列が長い場合は確認作業を省いて時短に努めましょう。
- 写真送付先確認
イベントで撮影した写真は被写体のコスプレイヤーに送ります。
そのため、写真をどこに送ればいいか連絡先を聞きましょう。
「今日撮った写真はどちらに送ればいいですか?」と聞けばOKです。
コスプレイヤーによっては、連絡先が書かれた看板やスケッチブックを置いていることがあります。写真を撮るなどして連絡先を控えておきましょう。
必ず写真に写っている人と連絡先を紐づけておきましょう。いざ写真を送ろうとしたら誰が誰だか分からない...なんてことにならないように注意してください。
こちらもスマホで撮影した場合は無理に送る必要はありません。
- お礼を言って立ち去る
撮影が終わったらお礼を言って立ち去りましょう。
よく知った仲でないかぎり、撮影後の長話は好まれません。
「ありがとうございました。失礼します」程度の短いお礼を述べましょう。
間違っても写真を撮るだけ撮って、無言で立ち去ることはないようにしましょう。
もし差し入れを用意しているなら、撮影がすべて終わったこのタイミングで渡しましょう
これが基本的な撮影の流れです。
声をかけてから撮影が終わるまで3~5分で終わることが多いです。
これを撮影するコスプレイヤーの数だけ繰り返すのが、カメラマンのコスプレイベント中の過ごし方になると思います。
例外として「囲み撮影」と「撮影列のある場合」があります。
・囲み撮影
囲み撮影とは、人気のあるコスプレイヤーを多数のカメラマンが取り囲み一斉に撮影を開始する撮影形態です。
大型のイベントでまれに見られます。
囲み撮影の場合、被写体に撮影許可をとったり写真を確認してもらうことはありません。コスプレイヤーによっては「SNSのフォロワーのみ撮影を許可している」などありますが、そのような場合看板が立ててあったりするのでその場で確認しましょう。
囲み撮影時には、多くの場合撮影タイミングを管理している人がいます。「撮影を終了してください」と言われたら即座にやめ、その場を後にしましょう。コスプレイヤーからタイミング管理をお願いされたら快く引き受けましょう。
撮影した写真は各コスプレイヤーが定めるルールに従って扱いましょう。
・撮影待機列のある場合
人気のあるコスプレイヤーの場合、撮影の順番待ちをする列ができていることがあります。
撮影待機列に並ぶのには特別被写体の許可はいりません。
ただし、自分の番になる直前で撮影が打ち切られたりすることはあります。
列を解消するために素早く撮影をする必要があります。そのため枚数制限を設けている場合もあります。写真を確認してもらう作業や、写真送付先の確認が省略されることが多いです。
待機列に並んでいると、突然最後尾札を掲げる役割や、後ろの人に打ち切りを告げる役割が回ってくることがあります。そうなったら積極的に協力しましょう。
列に並ぶときは会場の導線をふさぐような並び方をしないよう、周囲にも気を配りましょう。
退場
撮影を楽しんだらコスプレイベントから撤退します。
イベントによっては参加証を返却することがあるので、退場まで無くさないようにしましょう。
入場時にSNSで告知したのなら、退場時も告知すると知り合いに消息が伝わります。
もし会場で気の合う参加者と出会った場合、退場後に食事やカラオケなど通称アフターへ行くもいいでしょう。コスプレイベントの楽しみのひとつでもあります。
STEP5:写真データを渡す
イベントが終わったあとは、被写体になってくれたコスプレイヤーにお礼を伝え、撮影した写真を送ります。
この作業はイベント終了日当日から1週間以内に終わらせることが望ましいです。遅くとも2週間後までにはコスプレイヤーに写真が届けられるようにしましょう。
1枚2枚程度であれば、SNSのDM(ダイレクトメール)機能にて直接写真を送ることもありますが、ファイル転送サービスを使って写真を送ることが主流です。コスプレ界隈では「ギガファイル便」を使用することが多いです。
被写体以外の写真は送らないように注意してください。
コスプレイヤー側が特別に言及しない限り、写真はPNG、JPGにして送るのが親切です。RAWデータのままでは見れない人が多いので、変換作業は忘れずにしましょう。
送る写真は選定するようにしましょう。
目をつぶっている写真、試し撮りの写真など明らかに良くないとわかる写真は送信しないようにしましょう。また、連写などで発生するどうみても同じ写真もある程度選別しましょう。選別に困るようであれば、「同じような写真がたくさんあるのですが、全部送ってもいいですか?」とコスプレイヤーに相談しましょう。
写真を掲載するうえでの要望があれば、写真を送るときに伝えておくとスムーズです。
自分のSNSアカウントをメンションしてほしい、写真の加工はしてほしくないなど、希望を伝えましょう。
こちらの記事で写真の送り方について詳しいことが書かれているので併せてどうぞ。
ここまでが一連のコスプレ撮影の流れです。
お疲れ様でした。
抱きがちな疑問に回答するよ
ここからは自分が撮影初心者の時に感じた疑問をQA方式でつづっていきます。
Q.どのタイミングでコスプレイヤーに声をかければいいの?
A.
基本的には”声をかけるだけなら”いつでもOKです。その後撮影を断られるかどうかは別の話です。
休憩中であることを明示していたり、電話中、食事中である場合など、明らかに撮影を中断している状況の時は声をかけるのはやめましょう。
「今声かけても大丈夫かな...」と不安になるなら、遠慮がちに「すみません...」と声をかけてみてください。たぶん大丈夫です。
Q.同行者ってどうやって見つけるの?
A.
主流なのは、レイヤーのカメラマン募集に応募することです。面識がないと断られることが多いので、知り合いが増えるまでは一人参加になることを覚悟しましょう。
Q.作品を知らなくても撮影していい?
A.
コスプレイヤーによるのは大前提として、多くの場合撮影させてもらえます。
不安であれば「衣装が素敵で声をかけました。原作を知らないのですが撮影しても大丈夫ですか?」などと声をかけてみましょう。
撮影の際、ポーズはコスプレイヤーにおまかせするのが無難です。
Q.どうやったらコスプレイヤーに顔を覚えてもらえる?
A.
毎回名乗りましょう。
コスプレイベント中のコスプレイヤーはとにかくたくさんの人に声をかけられます。正直顔と名前が一致しない人も多いです。
毎回撮影前に名乗ることで、少しでも顔と名前を売りましょう。
Q.コスプレイヤーと一緒に写真を撮ってもいいの?
A.
コスプレイヤーに聞きましょう。
「いっしょに撮影してもらっても大丈夫ですか?」と聞いてみて、許可をもらってから撮りましょう。
このとき、コスプレイヤーに触る、ポーズを強要する、卑猥なこと不快なことを連想させるポーズをとるなどはやめましょう。ピースサイン等無難なポーズであれば一緒に写真を撮ってくれるコスプレイヤーも多いですよ。
長々と語りましたが、コスプレイヤーとコミュニケーションをとりながらルールを守って楽しく撮影できればもんだいないです。コスプレ界隈は暗黙のルールがたくさんありますが、大半は上記のことができていればクリアできます。
コスプレイベントは怖くないです。これを読んだ人がコスプレイベントを楽しんでくれれば嬉しいです。
それでは。