コスプレイベントで見かけたコスプレイヤー(以下レイヤー)を撮影したいけどどうやって声をかけたらいいか分からない。自分の好きな作品のコスプレをしているレイヤーを見つけたから仲良くなりたい。SNSで見た素敵な写真にコメントしたい。
コスプレをしている、または撮影しているとこんな感情を抱くことがあります。しかし、声をかけるというのは勇気がいるもの。どんな風に話しかけていいかも分かりませんよね。
わたしはこのような状況ではとにかく「褒める」ことで会話のきっかけを作るようにしています。
今回はわたしが意識しているコスプレイヤーの褒め方について書いてみようと思います。
過去にコスプレイヤーに声をかける時のマナーなどについても書いているので、こちらの記事もあわせてどうぞ。
【目次】
「褒め」をきっかけにすると会話がスムーズ
会話のカードが何もない状態で初対面の人に話しかけるのは非常に勇気がいります。相手のことが何も分からない状態で共通の話題もない。コスプレイベントにおいても同じです。
そんなとき、褒め方を知っておくと会話のスタートがスムーズになります。
コスプレ界隈には有象無象がひしめき合っており、不快な気分にさせてくる非常識な人間というのが少なからずいます。レイヤー、特に女性の女装レイヤーはそのようなヤバめの人と関わらないように初対面の人と距離を置く傾向にあります。そのため、まずは自分が無害な人間であることを知ってもらわなくてはなりません。
コスプレにおいて褒めるという行為は、「わたしはあなた(他人)を不快にさせる非常識な行いをしませんよ」という意思表示になります。
褒められて嫌な気分になる人はそうそういませんし、褒めた話題から話を膨らませることもできます。他にも常識人であることを知ってもらう方法はありますが、「褒める」という行為が一番簡単で誰にでもできることだと思います。
褒めるときに注意すること
ここまで褒める行為の有用性を語りましたが、何でもかんでも褒めればいいというものでもありません。特にコスプレイヤーを褒めるうえで注意しておきたい点を書いておきます。
あくまでコスプレを褒める
これは特にキャラクターのコスプレをしている人を褒める際に注意したいことです。
コスプレイヤーには見目麗しいスタイルや顔を持った方がいらっしゃいます。その武器を存分に生かして美少女・美青年のコスプレをしている人も多くいます。
そんなレイヤーを見たとき「顔がすごくかわいいと思いました」「おっぱいが大きくてセクシーですね」などとコスプレイヤー本人の特徴について褒めるのはちょっと待ってください。
キャラクターのコスプレをする人は、キャラクターの恰好をすることを楽しんでいます。そんなときキャラクターと関係のない部分を褒められたらどう思うでしょうか。
わたしは、コスプレイヤーを褒めるときはあくまでコスプレを褒めるというのを意識しています。もし顔つきや体型について褒めることがあるとしても、キャラクターの再現の一部として褒めると思います。「目の大きさが原作みたいです」みたいな感じです。
なお、これはあくまで初対面など関係性ができていない時の話で、仲のいいコスプレ仲間にはストレートに容姿を褒めることもあります。あくまで、お互いあまり知らないうちはコスプレを褒めることにしているよという話です。
他者と比較をしない
わたし自身コスプレイヤーなのですが、ありがたいことに褒められることもあります。そのとき、他者と比較して優れていると褒められることがあり大変気まずいです。
褒められること自体はうれしいのですが、他者と比較されても素直に喜べません。比較対象の人と知り合いならなおさら、角が立ちそうですし遠慮したいところです。
盲点になりがちなのが、自分との比較です。「衣装手作りされててすごいですね!わたしなんて不器用で全然上手に作れなくて...」などと自分を下げることで相手を褒めようとする手法は日本の伝統的な手法ではあると思いますが、正直反応に困ってしまいます。褒めるときは誰かと比較しなくてもいいのです。
素直に褒める
褒めるという行為はいざやろうと思うと面映ゆいものです。
照れ隠しからかネットスラングや謎の比喩を用いて遠回しに褒めようとする人もいますが、だいたい伝わりません。それどころかヤバイ人だと思われかねないので褒めるときはストレートな言葉で褒めましょう。「素敵ですね」の一言だけでも十分うれしいものです。
上から目線にならない
そもそもですが、「褒める」という行為そのものが上からジャッジするような雰囲気を持っています。そのため、言葉選びに気を遣わないと上から目線で評価する感じの悪い人になります。さきほど「褒めるときはストレートに」と言ったばかりですが、口に出す言葉は一度考えてから発したほうがいいでしょう。
褒めるポイントを見つけるコツ
コスプレを褒めるときの大前提は「自分のいいと思ったところを褒める」です。思ってもいないことを口に出しても薄っぺらい感想しか出てきません。
「そんなにポンポンと褒めるところなんて思いつかないよ」という人向けに、褒めるための注目ポイントをお伝えします。
衣装は褒めるポイントの宝庫
コスプレという趣味は衣装がなければできません。衣装を手にするためにレイヤーはさまざまな苦労をしています。
衣装を自作する人は、制作に膨大な時間と工数をかけているので、自分の作った衣装を褒められるとその努力が認められたようでうれしくなります。
衣装は購入するタイプの人も、数ある衣装から選んで買わなければならないのでこだわりやセンスが試されます。
衣装というのは、褒めるポイントがたくさん詰まっているのです。
なにより、衣装という会話ネタは人の容姿やプライベートな部分に一切触れないので無難です。「何か褒めたいけれどうまく言葉が見つからない」というときはとりあえず衣装について言及してみるといいでしょう。
原作と一致している箇所は褒められたい
コスプレをするうえでキャラクターの再現に力を入れているレイヤーも多いです。どのレイヤーも苦労する点でもあります。
少しでも原作に近づくべく苦労した点を褒められたらどれほど嬉しいことか。
特に細かいところを褒められると「この人はコスプレだけではなく原作も細かいところまで見ているんだ」と安心材料になります。ただ声をかけてきた人ではなく、原作愛がある人だとわかると信頼感がありますね。
原作通りだと思った箇所はどんどん褒めていきましょう。
表情やポージングも注目
コスプレでキャラクターを再現するうえで重要なのは衣装やウィッグだけではありません。特に写真作品においては表情やポージングも重要な要素となります。
手や指の角度、口角の上がり具合など、細かいところに気づけるようになったらもう立派な褒めマスターです。
ポーズが付くと雰囲気がガラッと変わることも多いです。ポーズを褒めるのが難しければ、纏う雰囲気を褒めるというのも手です。
表情やポージングを褒めることのメリットとして、レイヤーが安心してポーズを取れるというものもあります。撮影されているレイヤーからはかわいく(かっこよく)写真に写れているか心配なものです。「今のポーズ素敵です!」と褒められると、「このポーズでいいんだ」と安心できます。
褒め方テンプレート
褒めるときにわたしがよく使う言葉を並べておきます。記号の中に入る単語はシチュエーションに応じて使い分けてください。
● ○○ができるの尊敬します
○○には「衣装づくり」や「造形」などが入ります。レイヤーの持つ技術がすごいと思ったら使ってください。具体的なほど説得力が高まります。
例:凝った衣装が作れるの尊敬します
● ○○の△△な部分の再現がすごいですね
○○にはキャラクター名、△△には衣装やポージングについてが入ります。
「ここで手を抜けば楽できたはずなのに」という点は積極的に褒めたいです。
例:○○ちゃんの制服のスカートのチェック柄の再現がすごいですね
● 一目で○○だと分かりました
作品とキャラクターが分かる前提があって使える褒め言葉です。
○○にはキャラクター名や作品名が入ります。レイヤーにとって何のキャラクターか気づいてもらえるととてもうれしいです。「わたしは気づいてますよ」とここぞとばかりにアピールします。「一目で」の代わりに「後ろ姿だけで」「ちらっと見ただけで」などを使うこともあります。
● ○○のコスプレが見れて嬉しくなっちゃいました
○○には作品名やキャラクター名が入ります。コスプレする作品を選ぶセンスを褒めます。わたしの好きな作品のコスプレをしてくれてありがとうの気持ちで褒めています。
●めちゃくちゃかわいい...
心から漏れ出た言葉であればこれだけでも十分です。かわいいの代わりに「かっこいい」「きれい」「美しい」などのバリエーションもあります。言い方が気持ち悪くならないようにだけ気を付けましょう。
このように、褒めることはコスプレイヤーと交流するきっかけになるので、カメラマンやコスプレ仲間を増やしたい新米レイヤーの人などは参考にしてみてください。
それでは。