コスプレを扱った漫画『コンプレックス・エイジ』。
コスプレのキラキラした部分だけではなく、薄暗い部分も描写した作品です。
連載当初はコスプレをリアルに描いていると話題になっていた印象があります。
そんなコンプレックス・エイジの1巻は2014年発刊であり、この記事を書いている2024年時点では10年前の作品となっています。
この10年でコスプレ界はずいぶん変化しました。わたしも気づけばコスプレイヤー歴が10年をゆうに超えていました。
今回は、コンプレックス・エイジ内のコスプレに関する描写と、現在のコスプレを比較して変わった部分を振り返ってみようと思います。
【目次】
前提(言い訳ともいう)
基本的には筆者の所感で振り返ります。「今どきのイベントはこうだよね」という発言はすべてわたしの体験談であり、厳密な根拠や裏取りはありません。
また、『コンプレックス・エイジ』の舞台は東京を中心とした関東圏です。一方この記事を書いている人は愛知在住の東海圏が主な活動地域なので、東京に関する内容にほぼ触れていません。
どうしても作中の内容に触れざるを得ない箇所があるので、『コンプレックス・エイジ』未読の方は先に読了したうえでこの記事をご覧いただくことを推奨します。
それを踏まえたうえでご覧ください。
1巻
・3ページ
物語の一番最初のページ。主人公の渚が、コスプレ道具が詰まった押し入れに隠れながらパソコンを見る印象的なシーンです。セリフからも渚が完コス主義(妥協を許さずコスプレをする人を指す言葉)であることがうかがえるシーンでもあります。
1巻が発刊された2014年時点では、スマホを持つ人は増えつつあるものの、今ほど全員が持っているようなものではありませんでした。わたし自身もこの時スマホは所持していません。そのため、コスプレ写真の投稿や閲覧はパソコンから行うことが多かったです。
今やスマホ一人一台は当たり前の時代、パソコンを持っていない人の方が増えた気がします。スマホで写真を撮り、スマホで写真を共有し、スマホアプリから写真を投稿し、スマホからコメントする....コスプレはスマホを中心に回っています。
・15ページ
渚が友人である公子とコスプレイベントに参加するシーンです。
ここで注目したいのは、背景に描かれた
「コスプレする人2000円 しない人3000円」
という貼り紙です。
現在でも多くのイベントでコスプレする人としない人に価格差が設定されています。ですが、このようにコスプレする人の方がしない人より安くなるイベントというのを最近は見かけません。わたし個人の経験としては、コスプレイヤーより一般参加(コスプレしない人)が高いイベントに参加したのは2018年が最後です。
コスプレしない人の方が参加費が高かった時期は確かにありました。昔は「コスプレしないで参加すると高いから適当なコスプレをして参加しよう」とコスプレをして参加するカメラマンが一定数いたのですが、価格が逆転してからはめっきり見なくなりました。
この記事を書いているわたしの活動地域である愛知県では、更衣室を利用するコスプレイヤー>更衣室を利用しないコスプレイヤー≧コスプレしない参加者 という順に金額が変わることが主流です。コスプレイヤーかどうかで価格を変えるというより、更衣室を利用するかどうかで変えることが増えた印象です。コスプレイベントの価格は地域差が大きいので、もしかしたら東京ではまた違うかもしれません。
・24ページ
渚が陰で悪口を言われるシーンです。「デカババアキモッ」と言われるのですが、作中での渚の年齢は26歳。彼女よりとっくに年上のわたしは心臓が縮みあがってしまいます。
確かに10年前は20代後半に差し掛かるころにはコスプレを引退して別の趣味をする人が結構いました。結婚や出産を機に二度とコスプレの世界に戻ってこない人も多かった時代です。
今では、30代40代のコスプレイヤーも見るようになってきました。26歳の渚が「ババア」と呼ばれることはおそらくないでしょう。
とはいっても、数としてはそこまで増えていないと思います。SNSなどで熟練のコスプレイヤーを見かける機会が増えただけな気もします。
それでも年齢を気にせず好きな趣味を続けられるのは喜ばしいですね。
コンプレックス・エイジはまさに年齢やライフステージとコスプレの話なので、このあたりが上手に描かれています。
・52ページ
はじめてコスプレをする綾の衣装着替えを公子が手伝うシーンです。
セクシーなキャラクターのコスプレをするために、胸に化粧パフを詰めています。
わたしも今までにいろいろなものを胸に詰めてきました。化粧パフももちろん使いましたし、タオル、ハンカチ、スポンジ、ビーズクッション、ストッキングなど、きれいな胸の形をもとめてあらゆるものを下着の中に押し込んだものです。
現在では、コスプレ通販各社が、便利なグッズを販売してくれています。理想に合わせて着脱できるシリコンブラや、胸部を丸ごと覆ってしまうシリコンバストなどの便利でクオリティの高いグッズが台頭してきました。普及してきたからか昔より安価なものを選択肢に増えてきたのもうれしいですね。
とはいえ、ひとつ5000~10000円はする代物も多いので、安価で済ませたい人にとってはまだまだ胸に日用品を詰める日々は続きそうです。
・58ページ
公子が併せ※のメンバーを撮影するシーンです。
※併せ...共通点のあるキャラクターのコスプレをする人が集まって交流や撮影をする行為。多くの場合作品の登場人物で集まる。
ここで注目したいのが、公子自身もコスプレ併せの参加者、つまりコスプレをしている人間という点です。
今でこそ撮影=カメラマンというのは当たり前になりましたが、昔は併せの参加者どうしで写真を撮りあうことがごく普通にありました。コスプレイヤーの多くが一眼レフのカメラを持ち、自分たちの欲しい写真は自分たちで撮っていた時代というのがあったのです。そのためコスプレイヤーは衣装のほかに撮影道具も持参し荷物がえげつないことになっていました。
今では参加者どうしで写真撮影するといえば、ツーショット(スマホのインカメラでセルフィーを撮る行為)です。大きくて重いカメラを持ち歩かずに済んでよくなった半面、身内でわいわい撮影する感じも好きだったのでちょっとだけ寂しく感じます。
・62ページ
併せが終了し、参加者どうしで名刺交換をするシーンです。
コスプレ界隈では名刺交換という文化があります。自分のコスネーム(コスプレをするときに使用する名前)や連絡先を記載してある名刺を配ることで、人間関係を構築します。
コスプレ名刺には自分のコスプレ写真を載せることが通例です。コスプレをした数だけ自分の名刺が増えます。たくさんある種類の中から名刺を選んでもらうというのもコスプレ名刺独自の文化ですね。
以前はコスプレするのに必須だった名刺ですが、今では下火になりつつあります。
わざわざ紙媒体で名刺を交換せず、QRコードを教えたり、SNSのアカウントIDだけ教えるといった場面も増えてきました。メールアドレスやホームページのアドレスをその場で伝えるのはしんどいですが、SNSのアカウントであればすぐ伝えられます。
連絡先の伝達手段としての究極の形に「スケブ」「看板」という手法がありますが、ちょっと雰囲気が異なるのでここでは割愛します。
それにしても「コスネーム」という単語を全然聞かなくなって久しいです。今ではなんと呼んでいるのでしょうか。特に代替単語はなく、「コスプレ時に使用する名前」を指す単語は消えかけているのでしょうか。
・146ページ
渚と公子がダンガンロンパのオンリーイベントへ参加するシーンです。
同人即売会の形態のなかでも、一作品のみを扱うイベントをオンリーイベントと呼びます。その時流行の作品のオンリーイベントは全国各地で開かれていました。
作中で実際に存在する作品のオンリーイベントが開催されているというのは面白いですね。ダンガンロンパというのが当時の世相を反映していて懐かしいです。
コスプレができる場所というのは、コスプレイベントだけではありません。このページのように同人即売会でもコスプレできることがあります。かつてはコスプレ専門のイベントが少なかったため同人即売会でコスプレする機会の方が多かったです。コスプレイベントやコスプレデビューが同人即売会という人も少なくありませんでした。
特にオンリーイベントは同じ作品のコスプレをする人と出会ういい機会だったので、オールジャンルイベントに比べてより深い交流ができました。
徐々に同人即売会が減りつつあった状況でコロナ禍が発生、今ではオンリーイベントはかつてほど見かけなくなってしまいました。それどころか、同人即売会自体がどんどん減っています。特に地方の同人イベントの撤退はすさまじい勢いで進んでいます。寂しい限りです。
・巻末
これは余談ですが、コンプレックス・エイジの各巻末にはコスプレ用語についての解説が掲載されています。
「併せ」「コスネーム」「ロケ」などコスプレ界隈で使用されがちな単語が一通り網羅されているのでためになります。
コスプレ初心者なら目を通しておいて損はない内容になっています。
2巻
・26ページ
このシーンはコスプレに関係ありませんがわたしが気になったので扱います。
渚らが静岡へ撮影旅行に向かうための車内で、何の曲を流すかで盛り上がるシーンです。
綾が取り出したipodに表示されているタイトルが「けいおん」「ギルクラ」「ペルソナ4」「ゼーガペイン」となっています。
けいおん、ギルクラ(ギルティクラウン)、ペルソナ4はいずれも2010~2012年ごろ流行した作品です。ゼーガペインはこれらより少し前の作品ですね。
コンプレックス・エイジ2巻発刊は2014年なので、綾は3年ぐらい前の作品の曲でも聞き続けるタイプというのが分かります。
「ペルソナ4もギルクラももう10年以上前なのか...」と時間がたつスピードの速さに困惑した回でした。わたしもipod持ってたなあ...
・79ページ
渚の勤め先の上司でありコスプレ仲間である葉山が、ネットニュースの画像に写り込んでしまったために会社でコスプレしていることがばれてしまい、挙句の果てにはSNSまで特定されてしまうというシーンです。
わたしも会社に勤めているときはコスプレ趣味をひた隠しにしていたのでこのシーンは読んでいて恐ろしかったです。
そんな恐怖のシーンですが、扱いたいのはコスプレバレしたところではなく、葉山がアカばれしたSNSの画面、Twitterについてです。
10年前の時点でも今ほどではありませんがコスプレ界にTwitterが普及しつつありました。そんなTwitterですが、今現在は「X」と名前を変えています。
さらに細かいところを見ると、投稿の下部分に星マークがあります。当時のTwitterでは「favorite(通称ふぁぼ)」という機能のボタンが星マークでした。今でいうところのハート(いいね)ボタンと似たような機能です。
わたしはいまだにXのことをTwitterと呼び、いいねをふぁぼと呼んでしまいます。そういう人を見かけたら「古のツイッタラーなんだな」とそっとしてあげてください。
・115ページ
綾が公子にカメラの設定を教わるシーンでは、綾が「一眼レフまでは遠いです...」「ミラーレスが限界 貯金も限界」と発言しています。
かつてコスプレ併せの募集事項には「一眼レフ以外のカメラはお断り」的な文言が書かれていました。コスプレ撮影イコール一眼レフという時代です。
一眼レフカメラは高級品です。ただでさえ衣装やイベント参加費に安くない金額を投じているコスプレイヤーは金銭的に結構カツカツです。そんなお財布事情で一眼レフを買うのはかなり勇気がいる行為です。
そのため、一眼レフカメラを手に入れる前の練習として(一眼よりは)安価なミラーレスカメラを購入し、撮影に慣れたところで一眼を買うというコスプレイヤーは多かったように思います。たいていの場合撮影よりもコスプレの方が楽しくてカメラは据え置きになる人と、公子のように撮影にのめり込んでいく人に分岐します。
現在では、技術の進歩や加工技術の向上などで、本格的にコスプレを撮影するカメラマンですらミラーレスカメラを使っている人も増えています。スマホの画面で写真を見る分にはミラーレスと一眼レフの写真に大きな差は感じないように思います。
「一眼レフ以外お断り」は形骸化しつつありますね。
3巻
・28ページ
綾が渚にコスプレ衣装の作り方を教わる話です。
この時、「コスプレ衣装では接着芯を使ってハリを出すよ」的な話があるのですが、そのコマには日本バイリーンの接着芯と思われる絵が描かれています。
チェーンの手芸店やネットショップなどでよく見かけ、手ごろな価格と入手しやすさからコスプレイヤーでも利用者の多い接着芯を手がける日本バイリーンですが、2023年に手芸用製品事業終了を発表しています。
日本国内の手芸店や手芸資材を生産している会社は年々減り、規模の縮小を続けています。
コスプレ界隈でいえば、以前は衣装を自作しなければコスプレできなかったものですが、今は安価で一定のクオリティのある業者製の衣装がネットで簡単に購入できてしまいます。
衣装自作派としては悲しいので、手芸シーンを盛り上げるためにも衣装を自分で作るコスプレイヤーが増えてほしいと願うばかりです。
・141ページ
渚が彼氏にコスプレしていることを打ち明けるシーンです。
その際、渚はコスプレ名刺を彼氏に渡し説明をします。
一巻の解説で名刺についてすでに触れていますので、ここでは名刺に書かれた情報について見ていこうと思います。
渚の名刺には、
・コスプレ写真
・コスネーム(コスプレで使用するハンドルネーム)
・cureのID
が掲載されています。
cureとコスプレイヤーズアーカイブはかつてコスプレ界を二分していたコスプレ専門SNSです。わたしの体感では、東日本の人はアーカイブ、西日本の人はCureをメインで使っていたような印象です。
もっと踏み込んで、渚のIDの桁数に注目します。
渚のcureのIDが5桁、コスプレイヤーズアーカイブのIDが4桁となっています。
いずれもIDは登録した順に割り当てられるので、番号が若ければ若いほど登録した時期が早い、つまりコスプレ歴が長いということになります。
コスプレイヤーズアーカイブのわたしのIDが30000番台、この記事執筆時点で登録すると50000番台になることを考えると、渚が歴戦の猛者であることがよく分かります。
そんなコスプレSNSですが、TwitterなどのSNSの台頭により現在は以前ほどの勢いを失っています。Cureに関しては2016年にサービス終了しています。奇しくもコンプレックス・エイジの最終巻発刊から半年程度あと、渚たちの後を追うように終了しました。一つの時代の区切りを感じます。
ちなみにコスプレイヤーズアーカイブはもちろん現在も現役のSNSですし、Cureも名前と雰囲気を変えてリニューアルしています。
・157ページ
渚の彼氏が「凪(渚のコスネーム)」について調べるシーンです。
ここで彼氏はコスプレカメラマンが運営しているブログを見つけ、そこに掲載されている凪の写真を発見します。
かつては個人でホームページを持ち、そこで自分の二次創作を掲載するというスタイルが一般的でした。コスプレも他の二次創作と同様に個人のホームページ、ブログに写真を掲載ことが多かったと思います。
個人ホームページ文化もSNSの普及に伴い下火になりつつあります。
この記事を掲載しているブログのように、コスプレに関するブログは現存していますが、あってもコスプレのノウハウを公開する意味合いの強いサイトであり、写真を公開するために運営されている個人ホームページは絶滅危惧種です。
ホームページは検索除けや掲載方法の自由度の観点から必ずしも悪いことだけではないのですが、手間がかかり拡散力も低いので現代の価値観とはマッチしづらいようです。
4巻
・22ページ
会社でコスプレがばれて以降実家に帰ってしまった渚の元上司葉山に、渚が発破をかけるべくコスプレイベントのチラシを渡すシーンです。
コスプレイベントは、いろいろな方法で告知されます。ホームページ、SNS、口コミ、そしてチラシで開催を告知されることもあります。
かつてはコスプレ関係のショップなどにたくさんのイベント告知チラシが設置されていたものですが、現在はあまり見ないような気がします。
もちろん今でもチラシで告知をしているイベントはあります。特に、イベントの受付で次回のイベントの案内チラシを配っている光景はよく見かけます。ネットに掲載される前にチラシでイベントの有無を知ることもあります。
渚が渡したチラシの内容にも注目します。
このチラシはとしまえんのハロウィンコスプレイベントについてのチラシです。
としまえんは、東京にあった遊園地の名前で、コスプレイベントが頻繁に開催されていた場所のひとつです。
としまえんですが、2020年に閉園しており現在はハリーポッターに関するテーマパークとなっています。
・76ページ
コスプレイヤーどうしで連絡先を交換するシーンで、LINEを交換しています。
LINEはシステム上副アカが作りづらいので、元々知り合いでもない限りいきなりLINEを交換するというのはかなりレアな状況です。これは今も昔も変わらないと思います。交換するとすれば、やはりX(旧Twitter)のアカウントになると思います。
ですが、最近は度重なるXの仕様変更や不具合の関係で、いきなりLINEを交換する例も見聞きするようになりました。
当時はあまり現実的ではなかった描写が、10年の間にちょっとありえる描写になっているのが面白いです。
5巻
・25ページ
5巻の初めの方は、渚と公子の高校生時代、いわゆる過去篇となっています。
ここではコスプレをするために地毛をスプレーするという話をしています。
5巻発行当時(2015年)26歳の渚らが高校生のころの話となると、この過去篇は2005~2007年ごろの話になると思われます。
よくコスプレ昔話として「昔はコスプレに使えるウィッグなんて売っていなくてスプレーで髪を染めたもんじゃ...」という話がありますが、さすがに2005年ごろにはコスプレのウィッグはあったように思います。ですが現在ほど安価で品質が良いものはなく、ネット通販も充実していなかったので限られた人しか使えなかった印象です。
世界コスプレサミットの写真を見ても、地毛やファッションウィッグの範疇でコスプレをしている人がまだ多くみられるのもその影響でしょう。
現在ではコスプレではウィッグを使うことが一般的になり、逆に「コスプレするならウィッグを着けないとマナー違反だ!」という強めの意見すらあります。
地毛でコスプレすることについて書いた記事もあるので参考にしてください。
ウィッグの価格も随分と安くなり、高校生のお小遣いでもがんばれば買える程度の値段になっています。安定した品質のメーカーも増え、選択肢も広がりました。渚や公子がコスプレを始めた時代に比べればずいぶんいい環境になったと思います。
・172ページ
綾が初めての男装にチャレンジするシーンです。
かつて綾が初心者だったころは公子に化粧パフで胸を盛られていましたが、ここでは逆に胸をつぶしています。
綾はサラシを持参しますが、初心者には使いづらいという理由で胸つぶし専用の道具の使用を勧められます。
これはかつてよくあった話で、コスプレのノウハウがネット上に蓄積されていない時代には演劇の情報をコスプレに流用することがよくありました。「胸をつぶすにはサラシを使おう」という演劇の情報をそのままコスプレに使用しようとして失敗するというパターンです。
サラシは上手に巻くのには慣れが必要ですし、ズレやすく体のラインがきれいに出ないということでコスプレにはあまり向いていません。
現在では、コスプレグッズ会社が販売している胸つぶし専用グッズを使用するのが主流です。綾も使っていたマジックテープタイプのものは昔から使われていますし、現在はファスナーで締め上げるタイプもよく見かけます。
昔はよくガムテープで胸をぐるぐる巻きにしたり、腰痛用のコルセットをギチギチに締めて使ったなあ...と懐かしいきもちになりました。
6巻
・169ページ
渚がコスプレとの付き合い方を考え苦悩したすえに、衣装制作会社を立ち上げた話です。
渚の会社は作品を権利を持つところ、いわゆる「公式」から許諾をとって衣装作成・販売をしています。
現実世界にも、公式のライセンスがある衣装の販売を手掛ける会社というのはあります。ACOSはその代表例ですね。
公式ライセンス品はクオリティが高く、許諾を受けているという安心感があります。
渚の会社のように公式ライセンスのある会社が増えた、といいたいですが、残念ながら非公式の衣装店が現在も数多くあります。むしろネットでの通販が活発な現在、非公式品の取引は昔よりも大っぴらに、大量に行われている印象です。
ライセンスのある衣装は高額になる傾向があり、かつ販売数も限られていることが多いので仕方がないのかもしれませんが、非公式の(強い言葉を使うと「海賊版」の)衣装が主流となってしまっている現状は悲しいものがありますね。
まとめ
以上が、わたしが改めて『コンプレックス・エイジ』を読んで感じたジェネレーションギャップになります。
ざっくりこの10年についてまとめると、
・SNSが普及によってコスプレ周りも影響があったよ
・イベントや施設は増えたり減ったりしているよ(減る方がやや優勢)
・コスプレのやり方の選択肢が増えてきたよ
といった感じですね。
振り返ると懐かしい気持ちになると同時に、時が経つことの早さと自分の年齢を再確認することになりちょっとだけ現実から目をそらしたくなりました。
渚は作中で一旦コスプレイヤーに区切りをつけていますが、それでもわたしはもうちょっとだけ続けようと思います。だってコスプレって楽しいから。
それでは。