コスプレをしていると良く聞く「併せ」という単語。
コスプレイヤーが集まってなにかするらしいということは分かるが、詳しいことを知る機会はあまりないかもしれません。
今回はコスプレするうえでの頻出ワードである「併せ」について解説します。
【目次】
併せ(あわせ)とは
併せについての定義はいろいろありますが、コスプレ漫画『コンプレックス・エイジ』の説明がわかりやすいので引用します。
あわせ
同作品や同シリーズ、同テーマに沿ったキャラクターのコスプレイヤーが、複数にんで撮影をすること。
(コンプレックス・エイジ巻末 コスペディアコスプレ用語解説集より引用)
いくつか補足説明をします。
「あわせ」は「併せ」と表記されるのが一般的です。「合わせ」という感じが当てられることもあります。どちらにしても発音は「アワセ」なので一緒ですね。どの表記でも意味としてのちがいはありませんので、使いたい表記を用いればOKです。
併せのテーマは実にさまざまです。最もポピュラーなのは同じ作品に登場するキャラクターを集めて行う作品併せですが、キャラクターに何らかの共通点があればそれはもう立派な「併せ」といえます。わたしが今までみた併せですと、モチーフがピンク色のキャラクターを集めた「ピンク併せ」、悪役キャラクターを集めた「悪役併せ」、声優が同じキャラクターを集めた「中の人併せ」などが、実にいろいろな併せがありました。
併せのメンバーを集める方法
共通点のあるコスプレイヤーどうしでコスプレしてみたいと思い立ったとき、どうすれば併せをすることができるでしょうか。
ここでは、併せをしてくれる人の探し方について説明します。
友人・知人との併せが基本
併せは基本的に友人・知人と行うことが多いです。
口頭ないしDMやメッセージ等で「今度XXの併せするんだけどどう?」といった感じでおうかがいをたてます。
併せのメンバーに誘う人は、初対面の人だとしても、知り合いの知り合いまでにとどめておくのが安心できます。
併せでは時間管理や金銭のやりとりといった人間関係のトラブルがおきやすいです。そのため、コスプレせずともある程度人となりを知っている人物同士で行わないと、問題が起こって併せが失敗しやすいです。
「併せがしたい!」と思い立ったら、まず知り合いやコスプレイベントで知り合った仲のいいコスプレイヤーに声をかけてメンバーを調整するのがおすすめです。
SNSで併せメンバーを募集する
とはいえ、コスプレを始めたばかりでコスプレイヤーの知り合いが少なかったり、どうしても揃えたいキャラクターのコスプレをしている人を見つけたい場合もあると思います。
そういった場合は、X(旧twitter)などのSNSを用いて併せメンバーを探します。
併せの日時、テーマ、募集キャラクター、参加費などを記載して投稿することで、興味を持った人が応募してくれるという仕組みです。
たくさんの人に募集をかけることができる一方、トラブルメーカーが名乗りをあげてしまったり、初対面だと気を遣わなければならなかったりとトラブルが起こりやすい方法でもあります。
わたしは、SNSで併せメンバーを探すときは足りない人員を補うために補助的に使うようにしています。
コスプレイベントで発生するゲリラ的な併せもある
ここまでは事前に声をかけてメンバーを集める併せについて話してきましたが、コスプレイベントでは偶発的に併せのような状況が発生することがあります。
コスプレイベントで自分と同じ作品のコスプレをしている人とその場かぎりの短い時間の併せのような状態になることはよくあります。
また、イベントによっては「ギャザリング」と称して何らかの共通点のある作品やキャラクターのコスプレイヤーが参加できる催しもあったりします。これも併せに近いのではないでしょうか。
イベントで併せ状態になったあと、意気投合してその日1日一緒に行動することもあります。もしひとりでコスイベに参加していて同行者がほしいと思っているなら、「今日よかったら一緒に行動しませんか?」と聞いてみると、OKしてもらえるかもしれません。
併せに関する用語
コスプレするとき内輪のみで遣われるスラングのような用語のようなものがあります。
「併せ」という単語もそうですね。
ここでは、併せに関する専門用語やよく見聞きする言い回しを紹介します。
役職に関する言葉
・主催
併せの計画や運営の責任者を「主催」といいます。
基本的に併せのなかではこの人の定めたルールに従います。
どの併せにも主催はいますが、身内のみ少人数で行われる併せでは主催をたてないことも多いです。
・副主催
主催業務を補助する人を「副主催」といいます。サブ主催、などといわれることもあります。
主催の下で併せの運営をする人です。
どの併せにも必ずいるわけではありません。規模の大きい併せや主催に経験が少ない場合など主催ひとりで併せを運営するのが難しそうな場合に副主催がたてられることが多いです。
・(メイン)カメラマン
併せでコスプレイヤーを撮影する役割をこなす人をカメラマンと呼びます。カメラマンが複数いる場合には、カメラマンのリーダーをメインカメラマン、リーダーカメラマンなどと呼び他カメラマンと区別することもあります。
・サブカメラマン
参加人数が多い併せでは参加者の撮影待ちの時間を減らすためにカメラマンを複数呼ぶことがあります。メインカメラマン以外のカメラマンをサブカメラマンと呼んだりします。
同じ参加者をメイン・サブと呼び分けるのがいやで区別しないという併せもあります。
また、「カメラの勉強中だからサブカメラマンとして参加させてほしい」と初心者カメラマンが立候補する場合もあります。
・アシスタント
併せのなかで併せ運営や撮影を補助する役割をアシスタントといいます。
多くの場合、アシスタントはコスプレも本格的なカメラ撮影もしません。
衣装の着付けや移動の補助、スタジオのセット、撮影補助などをする役割です。
どの併せでも必要な役割ではなく、運営に人手が必要な併せで用意される役職です。
アシスタントについては過去に詳しく書いた記事があるのでこちらもどうぞ。
場所に関する言葉
・ロケ
野外やテーマパークなどでコスプレすることをロケといいます。
コスプレイベントやコスプレスタジオでは撮影できないシチュエーションで撮影ができます。
撮影場所の確保やアポイントメントが必要です。
・コスプレスタジオ
コスプレ撮影に特化した撮影スタジオをコスプレスタジオと呼びます。
コスプレスタジオにも不特定多数の利用者がいるシェア型、予約して占有する貸し切り型などさまざまな形態があるので、併せの規模や雰囲気に併せてスタジオを選びます。
・某所
併せの募集要項では開催場所をぼかして「○○県某所」とだけ書かれていることがあります。
併せのメンバー以外の呼んでない人が来れないようにするための対策であったり、募集時点では場所が確実に決まっていない場合などによく書かれます。
併せに応募する前に場所について聞きたい時はDMなどで主催に問い合わせればおおむね教えてもらえます。
形態に関する言葉
・交流メイン
参加者同士の人間関係作りや、作品が好きな人同士の交流が目的で開催される併せです。
ゲームや名刺交換など交流の補助になりそうな企画を行うこともあります。
初心者の人でも参加しやすい傾向です。
・撮影メイン
写真作品を作ることが目的で開催される併せです。
構図やポーズをしっかり考えて撮影するものから、わいわい話ながらゆるく撮影するものまで幅があります。
・運動会
ここ数年でよく見るようになったと感じる併せの形態です。
体育館やグラウンドを貸切ってスポーツやダンスなどコスプレで体を動かすのが目的の併せです。
・宴会・食事会
コスプレした状態で食事やお酒を楽しむ形態の併せです。
キャラクターや作品にちなんだ料理を持ち寄ったり、食事シーンならではの雰囲気を撮影したりします。
その他頻出単語
・未成年
成人が主催する併せの場合、未成年が併せに参加することを禁止または制限付きで認めている場合が多いです。
金銭や門限などのトラブルが未成年の場合どうしても付いて回るので、リスク回避のために未成年お断りにしている併せは少なくありません。
・保留
募集中のキャラクターに立候補しているコスプレイヤーはいるが何らかの事情で確定ではない状態を保留中と言います。コスプレはしたいがその日に予定が入りそう、衣装がまだない、といった時に見られます。
・動画撮影をします
併せのなかで動画を撮る予定がある場合に書かれていることがあります。
最近のコスプレ写真は画像加工によって顔や体に補正をかけることが一般的になりました。動画の加工は難しいため、加工していない姿が世に出されるのを嫌う人が動画撮影ありの併せを避けられるように書かれています。
併せで気を付けること
併せを楽しい思い出にするためにはそれなりの配慮や気構えが必要です。
ここでは、併せに参加するとき注意すべき点を紹介します。
○主催とルールには必ず従う
併せには主催の定めたルールがあり、基本的にはこれに必ず従います。
参加者が各々で好き勝手行動すると輪を乱して進行不能になってしまいます。併せのために参加者は少なくない金額を負担するのに指示に従わない人のせいで楽しくなかった...なんてことがないようにするためにも、主催の指示通りに行動しましょう。
例外として、主催が公序良俗に反する行為や危険な行為を指示している場合は主催に進言ないし注意、最悪の場合は併せの辞退をします。「併せに従うルールだから...」と何でもかんでも従って自分の心身が傷つくのは本末転倒ですので、そこは譲らないようにしましょう。
○自分から率先して動く
「主催に従う」と言ったそばから矛盾したようなことを書きますが、併せでは指示を待つだけにならないように自分から率先して併せのために行動しましょう。
指示がなければ意見や案を出さず、併せ当日も会場の準備や着替えを指示されるまでせずにぼーっとしていたりお友達とおしゃべりして、すべてのお膳立てが済んだ状態で楽しいところだけ味わう、「お客様」状態の参加者というのは結構います。
主催といっても、あくまで同じ趣味のコスプレイヤーでありイベントでお金儲けをしているわけではありません。すべての面倒ごとを主催に丸投げするのではなく、自分でもできそうな部分は積極的に動いて主催の負担を減らすことも大切です。
「自分はこのスタジオがいいと思うのですがどうですか?」「この荷物運んじゃっていいですか?」などと聞くだけでも随分と印象がいいです。
○併せの思想と熱量は事前に確認しておく
併せには様々な年齢、性別が参加します。当然コスプレに対する考えも人それぞれで、「キャラクターに完璧に近づけないと許せない!」という完コス主義の人から、「みんなでワイワイできればそれでいいよね~」というゆるく楽しむ人まで様々なスタンスがあります。
作品作りのために気合を入れて集まった人たちの中にゆるく楽しみたい人が来てもお互いに不満でしょうし、ゆるく交流したい人の中にガチガチに撮影したい人が来てもピリピリします。
併せのメンバーがどのような思想を持ってコスプレをする人なのか、併せのメンバーはこの集まりにどれぐらいの熱量を持って挑んでいるのかは、併せ前に事前に確認しておくことでお互いが嫌な気持ちになることを防げます。
直接「この併せはどういうスタンスでやりますか?」と聞いてもいいですが、聞きづらいと感じるなら「当日のスケジュールが決まっていれば教えてください」と聞くのがおすすめです。スケジュールで撮影の時間が細かく決まっている、ポーズや構図の指定がされているような併せは、かなり撮影に重きを置いていると思います。
○連絡は最低でも24時間以内に返信する
併せは当日までにメンバーとこまめに連絡をとることになります。
併せはどこでやるか、日時、予算、衣装、ルール、予約などなど、決めることがたくさんあります。これらについてメンバーから了承を得てから主催は行動するのですが、誰か一人でも連絡を返さない人、意見を述べない人がいると、併せの準備がそのたびにストップします。
併せを円滑に進めるためにも、必要な連絡はすぐに返信し、最低でも24時間以内にするというのは徹底しましょう。
もしすぐに返信できない場合は、「今手が離せないので、○時までに返信します」と一言あるだけで印象が良くなります。
24時間以内に返信できないような状況が続くようなら、そもそもですが併せに参加できるような状況にありませんので、身の回りが落ち着いてから参加するようにしましょう。
○参加者が平等になるような配慮をする
特に元から知り合いばかりの併せで起こりがちなトラブルですが、いざ呼ばれた併せに行ってみたら自分以外仲良しで仲間内で固まって身内トークをしていたため全然輪に入れず楽しくなかった、となることがあります。
他にも、撮影してもらえる人が偏っていて自分の写真がほとんどない、コスプレイヤーだけでワイワイしてカメラマンは仲間外れ、自分だけ聞かされていない持ち物があった、など併せで一部の人が悲しい思いをするトラブルというのはよく起こります。
併せでは、参加者が平等に楽しかったと思えるように、参加者全員で気を配ることが重要です。
ひとりになる人がいないように声をかける、連絡は全員がいるところで行い個別対応をしないなど、できることはたくさんあります。
主催が配慮するのはもちろんですが、メンバーも率先して動くことでいい併せになります。
自分から楽しい思いをするように動くというのも大切で、「あ、今一人ぼっちになりそうだな~」と感じたら、自分から人の輪に入っていく努力をすることで話しやすい雰囲気を作れます。
いずれにしても、併せに参加するには主催も参加者も積極性が必要になります。ただ待っているだけ、オロオロしているだけでは良き併せにはなりません。
後半嫌なことも書きましたが、併せは交流が深まり勉強になることもたくさんありいい経験になります。併せをするときは参加者どうし一定のリスペクトを持って楽しみましょう。