しもじものたみ

生き抜け!コンクリートジャングル

原付の主治医探しは茨の道

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今の住まいに引っ越して約半年、引っ越しに使用した段ボールのうち最後の1箱を片付けた。引越業者のロゴが入った段ボールに目を背け続けて6ヶ月、ようやく今回の引っ越しは終わったのだ。

引越し終了で気分がいい。久々に晴れたし原付でなじみの公園に行って動物でも眺めようと原付のキーを回す。いつもより長めにスタータースイッチを押すと少し遅れてエンジンがかかる。さあ出発!
 
バリバリバリビーッバリパラパラシュシュパラパラジーーー....
 
君、前からそんな感じだっけ?
なんか厳つくない?
 
我が相棒ヤマハのビーノ。ちょっと珍しい緑色がチャームポイントなかわいいやつ。道路にはみ出た草木に衝突しがちな左側よりなぜか右側に心当たりのない傷がいっぱいあるミステリアスな一面も併せ持つ。わたしはこいつを「カエル号」と呼んでいる。
このカエル号、どういうわけか家が代わる直後になんらかのトラブルが起こるのである。
最初は購入してすぐの時、強風で倒れてしまいミラーがひん曲がってしまった。購入した店が遠くに移転してしまっていたので、とりあえず通学路にあったお店で見てもらった。家から距離があったので徒歩で持って行ったが足が乳酸貯蔵庫と化した。
次は就職を機に引っ越した直後、右折しようと交差点の真ん中で対向車のタイミングを伺っていたらエンジンが止まってしまった。5kmの道のりを原付を引いて帰り、すぐさま「原付 修理」で検索してヒットした場所に電話をかけて回った。やっと見つけた店舗が小高い丘の上にあったため、足を乳酸工場にしながら徒歩で運んだ。
そしてこの度の厳ついサウンド問題である。幸い動かない訳ではないし常時ヤバめの音が鳴っている訳ではないが、素人目にみてもよろしくない状態なのは分かる。行こうとしていた公園は緑豊かな森林にある。そんなところで動かなくなってしまったらわたしの足は爆発四散してしまう。
段ボールを片付けて慢心していた。わたしの「引越し」はまだ終わっていない。
 
原付を修理してくれる場所を探すのは困難を極める。有識者にとってはそんなことないらしいが、ただ原付に乗っかっているだけの無知ヒューマンには難しい。
まず、店が見つからない。
土地勘がある人であれば「あそこの店は原付も軒先に置いてあったぞ」と心当たりがあるかも知れない。しかし新参者に心当たりはない。検索で出てきた店に片っ端から連絡するほかない。
次の問題、電話に出てもらえない。
おそらくバイクの修理店は個人ないし少人数で経営しているところが多いためイレギュラーな電話は取ってもらえる確率が低いのだろう。メールやSNSでもあればいいのだが、こちらは掲載がないことが多い。こうなると店がやっていないのか忙しいのかわたしには判断できない。
電話に出てもらえたら、最初に「そちらで購入していないのですが、修理していただけますか?」と聞くようにしている。すると半分ほどの店は申し訳なさそうに断ってくる。こちらこそお手間を撮らせて申し訳ない。たまに「原付はちょっと...」と断られることもある。
だいたいこのあたりで残りの店候補は5件程度になっている。慣れない電話で口がパサパサになっている頃合いだ。
今予約がいっぱいで2ヶ月待ちです。パーツがあるかわかりません。ただいま買取キャンペーン中でして。などなどあらゆる修理お断りを乗り越えて修理店を見つける。受け入れてくれるお店を見つける頃には目からは生気が失われている。
やっと店を見つけて修理をしてもらったところで引越しが決まってしまう。そしてまた振り出しに戻る。
今回も口の水分と気力を失いながら1件1件電話をかける。コロナによる医療崩壊が叫ばれているが、こちらも原付の主治医がいません。かかりつけられない。
明日も電話をかけよう。おそらく明後日もかけるだろう。足を棒切れにする準備はできてる。さぁいつでもかかってこい。
お客様のなかに原付のお医者様はいらっしゃいませんか!!